
派遣スタッフが失業したとき、 失業保険の給付金は受け取れる?

「派遣スタッフがお仕事を辞めることになったら失業保険はもらえるの?」こんな疑問を持っている方に、「派遣スタッフの失業保険」の基礎知識から、よくある質問まで詳しくご紹介します!
「仕事を辞めて失業中に給付されるもの」というイメージのため、通称失業保険と呼ばれていますが、正式には「雇用保険の失業給付」です。今回はわかりやすいように「失業保険」という言葉を使用しています。
派遣スタッフの失業保険の受給条件は?

まずは、受給条件を確認しましょう。
雇用保険に加入していること
・31日以上の雇用見込みがあること
・1週間の所定労働時間が20時間以上あること
この2点を満たす労働者は全員加入します。
正社員・派遣社員・契約社員と言った雇用形態は関係ありません。
ご自身が加入しているかどうか確認するには、給与明細に「雇用保険料」の天引きがあるかどうかをチェックしましょう。
離職の日よりも前の2年間に、雇用保険被保険者期間が通算1年以上あること
上記は一般的な受給条件ですが、派遣スタッフで起こりうる離職には、特別な措置があります。
一例が、「契約期間満了で、なおかつ次のお仕事紹介を希望していたのに契約更新がされなかった場合です。この離職理由は、「特定理由離職者」に該当します。
特定理由離職者と、倒産や解雇などが該当する特定受給資格者については、
「離職の日よりも前の1年間に、雇用保険被保険者期間が通算半年以上あること」と受給条件が緩和されます。
さらに、もう一つ大切な条件は、「就職できる能力と意思があり求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態」にある方かどうかです。
最終的に給付を受けられるかどうかは、ハローワークに確認する必要があります。
失業保険はいつからもらえますか?
失業保険は、自動的に給付されるものではありません。
自分でハローワークに「受給資格決定」の手続きをしてから、条件に応じて給付がスタートします。
さらに、離職の理由によって給付開始のスケジュールが変わります。「会社都合」と「自己都合」のどちらで離職が認定されるかが大きな分かれ目になります。
会社都合の場合
雇用保険の加入条件にもあった「特定理由離職者」に該当する場合は会社都合になります。
この場合は離職票の提出と求職の申込み手続きをハローワークで行った日(受給資格決定日)から通算して7日間の待機期間を経て、給付期間がスタートします。
このとき注意が必要なのが、
「次の派遣就業先を派遣会社が指示しない場合で、派遣労働者が同じ派遣会社からの派遣就業を希望していながら、契約期間満了後1ヶ月以上派遣就業がない場合」という条件がつくことです。
契約期間満了後、派遣会社から次のお仕事の案内があるにもかかわらず断った場合には、「自己都合」の扱いとなり、離職票にそれが記載されることになります。
自己都合の場合
自己都合では離職理由は問われません。
会社都合と同じく、受給資格決定日から通算して7日間の待機期間、さらに3ヶ月間の給付制限期間を経て給付期間がスタートします。
どれくらいの給付金がもらえますか?

給付金は「基本手当日額」で決められています。
原則として「離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額のおよそ50~80%」です。
ただし、基本手当日額は年齢区分ごとに上限額が決まっているため、上限を参考にするとよいでしょう。
30歳未満 6,750円
30歳以上45歳未満 7,495円
45歳以上60歳未満 8,250円
60歳以上65歳未満 7,083円
(平成30年8月1日現在)
【出典】
ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html
給付される日数は90日~360日と、離職理由や年齢によって異なります。
派遣スタッフが気になる失業保険に関するその他の疑問あれこれ
基本の疑問以外にも、よく寄せられる失業保険についての細かなご質問をまとめてピックアップしました!
離職票を発行してもらったら、派遣登録は抹消されますか?
スタッフサービスでは、「離職票の発行=登録抹消」ではありません。離職票発行後も、引き続き、お仕事ご紹介が可能です。
離職票を紛失しました。再発行はできますか?
退職後、紛失の場合は再交付が可能です。
退職後、離職票はすぐに発行してもらえますか?
雇用保険喪失の手続きをし、離職票を発行します。ご依頼いただいてから1週間から2週間程度でご登録の住所に発送します。
失業給付手続きはどのように行えばいいですか?
雇用保険の失業給付手続きは、住民票が置かれている地域を管轄するハローワークで行います。
・派遣会社から渡される雇用保険被保険者離職票
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、住民票、運転免許証などいずれか1種類)
・写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
・印鑑
・本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
以上を持参し、雇用保険受給者初回説明会の日時の説明を受け、雇用保険受給資格者のしおりをもらうことで手続きがスタートします。
自分で手続きしなければならない失業保険ですが、決して難しいことはありません。手続きをしっかり行ない、次のステップに進んでくださいね!
※当コラムに掲載されている情報は2019年5月時点のものです。
- ライター:沼田絵美
- 求人広告代理店で法人営業経験後、出産で退職。現在はフリーランスライター&キャリアコンサルタント&5店舗のサービス業経営者の妻、3足の草鞋を履いて仕事中の個人事業主。