
知ってる?派遣とアルバイトの違い

派遣で働くかアルバイトで働くか、どちらの働き方も似ていて、どちらにしたら良いのか迷いますよね。賃金の差、働き方の自由度、社会保障、スキル・キャリアアップの視点と今のご自分の状況や状態によって選択が変わってくると思います。そこで、派遣とアルバイトで働く際のメリット・デメリットも含めて比較、検証してみました。
目次
派遣で働く!そのメリット・デメリットとは

<派遣で働くメリット>
派遣で働くメリットは、派遣はアルバイトと比べると全体的に賃金(時間給)は高い傾向にあります。
賃金以外にも以下のようなメリットがあります。
・勤務する時間や勤務地を自分が登録した派遣元の会社の担当と話し合いながら決めることができる
・事前に労働条件通知書を確認して待遇を確認できる
・派遣元の会社の担当に就労上の不安を相談できる
・未経験の仕事でも挑戦しやすい環境がある
・企業内の安価な社員食堂が利用できることも!
働くにあたって就業時間や勤務地を派遣元会社の担当者と話し合いながら決めることができるので、自分の希望に合った職場を選ぶことができます。
また、就業するにあたっては労働条件通知書というものがあり、賃金の見込額やその他の待遇に関する事項、事業運営に関する事項、派遣制度の概要などが書かれており、事前にこれを見ることで、派遣先での自身の待遇を確認でき、不安なく勤務することができます。
加えて、派遣元の会社の担当者を通して、就いた職場の雰囲気が自分に合わないときには、話し合いによって職場を変えてもらえる可能性もあります。働き始めて「何かが違う」と思ったときに、遠慮せずに相談できる相手がいることはとても心強いことです。そして、職種によっては就業前に事前研修があるなど未経験の仕事でも挑戦しやすい環境があります。
また、企業内の安価な社員食堂が利用できるところもあり、こういったおサイフに優しい待遇にも出会えるチャンスが派遣にはあります。
<派遣で働くデメリット>
派遣で働くデメリットですが、
・定期昇給がない場合ある
・有期契約の場合、派遣先の状況により、勤務継続が難しい可能性がある
定期昇給が定められていない場合には、昇給に反映されないこともあります。
アルバイトで働く!そのメリット・デメリットとは
<アルバイトで働くメリット>
アルバイトで働くメリットは、何といっても勤務の自由度が高いことです。
・1日~短期勤務が可能
・自分で働きたい日を決められる
・他のアルバイトとかけ持ちできる
その他、自分が勤務する時間や曜日で都合のつかないことが発生した場合には、同じアルバイト仲間に事前に連絡をして、職場の責任者からの許可が出れば、その日の勤務を代わってもらうこともできます。また、勤務先が変わらないことが多いので、転居の心配はあまりありません。そして、アルバイトの求人自体は「○○ができる人を募集」というような専門性の高い仕事ではなく、未経験も応募可能な求人が多いということも特徴としてあり、様々な仕事にチャレンジしていくことができます。これらのことから、いろいろな仕事をアルバイトとして経験した上で、将来的に自分に合った仕事を探していきたいという人もおり、慎重に自分が将来就く仕事を探したいという人にもおすすめできるといえます。
<アルバイトで働くデメリット>
次にアルバイトで働くデメリットですが、社会保険(健康保険や厚生年金)の加入に条件があることです。
1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば、社会保険へは加入でき、問題ないのですが、これを満たすことができないときには、次の条件全てを満たす必要があります。
・1週の所定労働時間が20時間以上であること。
・賃金の月額が月8.8万円(年間で約106万円)以上であること。
・1年以上雇われることが見込まれていること。
・従業員が501名以上(※)の勤務先で働いていること。ただし、社会保険に加入することが労使で合意されていれば、従業員数が500人以下の勤務先でも社会保険に加入できます。
・働いている本人が学生でないこと(ただし、夜間や定時制などの学生では加入できる場合があります)。
(※厚生年金に加入している人数)
【出典】
政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201607/2.html
(2018年7月末時点)
また経営にかかわることや重大事項の決定など、会社の意思決定に都合が良い場合に、携わることが難しいことが一般的です。業務内容では発展性のない仕事に就く場合もあり、特に短期間で完了してしまう仕事の場合には仲間を作りにくいというデメリットもあります。
派遣とアルバイト、その働き方の違いとは

登録した派遣会社から就業先の紹介を受け、自身が納得して合意のできた就業先の会社で働くのが派遣であり、自身が勤務を希望する就業先で雇用主からの直接選考を受け、採否の結果、その会社で働いていくのがアルバイトです。
また、派遣には定期的に勤務状況等について派遣先の人だけではなく、派遣会社の担当者と相談する機会があるので派遣先の人へ直接言いにくいことも相談できる環境があります。一方でアルバイトは勤務状況等についての相談は直接雇用主との随時の相談となるため、内容によっては雇用主との関係性を気にしなければなりません。ただ、時給の交渉は自分のタイミングで自由に行うことができます。
派遣とアルバイト、時給や福利厚生面はどう変わる?
派遣の場合、時給は派遣先が派遣元に対して申し出ることによって上がる場合があります。また、福利厚生面では、派遣会社が契約しているスポーツ施設などを使えることがあり、その使用が可能なら健康維持に役立てていくことができます。また、派遣会社が行なうスキルアップ講座が受講できるなら、自身の能力向上をはかることもできます。そして、仕事をしていて自身の心に問題を感じたら、ストレスチェックを受けられる場合がありますし、一定の条件を満たせば産休や育休を取得できる場合もあります。
アルバイトの場合は時給について、雇用主に対して自分のタイミングで直接交渉できる場合があります。しかし、勤務先が社会保険の適用を受けられない規模である場合や自身の雇用契約が2ヶ月以内の短期だった場合には、健康保険や厚生年金の適用を受けることができません。
派遣とアルバイト、働き方の違いまとめ

派遣とアルバイトにはそれぞれの福利厚生や自分が働ける期間、今備わっている自身の能力などに対してメリットとデメリットがあります。今の自分の状況や状態を考えながら、派遣で働くほうが良いのかアルバイトで働くほうが良いのかを選んで、悔いの残らない選択をしていく必要性があるのではないでしょうか。
※当コラムに掲載されている情報は2018年7月時点のものです。
- ライター:瀧本 博史(たきもと ひろし)
- キャリアコンサルタント。キャリアの専門家として就職指導や大学講師、職業訓練校講師、ハローワークや公共機関等の相談員歴23年。心理カウンセラーとして心の問題もケアしてきており、高校・大学では就職・面接指導と講演、公務員試験対策を実施している。