
夫婦共働きの家事分担と働き方のコツ

「夫は外で働き妻は家庭を守る」というのは過去の話。女性の社会進出が進んだいま、結婚後、約7割の夫婦が共働きを選択しています。その一方で、子育て期の夫婦の家事・育児関連時間を見てみると、妻が1日に7時間34分も費やしているのに対し、夫は1時間23分で、妻のほうが5倍以上も家事・育児に時間を割いています。さらに、共働きの夫婦で約7割の夫が家事をおこなっていません。夫側からすれば、仕事が忙しくて家事や育児の時間を取れないといった事情もあるでしょう。
それでも共働きである以上は、負担が一方に偏らないよう、家事や子育てをうまく分担するために協力したいところ。一方的な負担を改善する上手な家事・育児分担のコツと働き方を紹介します。
【出典】
総務省 平成 28 年社会生活基本調査
https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou2.pdf
【出典】
内閣府男女共同参画局
http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h29/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html
目次
上手な家事分担のコツ

1.家事の「見える化」
家事の分担については、まず夫婦でしっかり話し合うことが重要です。ただ、何の準備もなく、いきなり話し合ってはお互いの分担イメージが合わないまま、感情的な議論になってしまいがちです。話し合いの前に、分担したい家事の内容、頻度、かかる時間などをリストアップしてみましょう。たとえば、「食材を買いに行く」という項目なら「週〇回、約1時間」など、家事をリストアップする際は、できるだけ細かいタスクに分けて「見える化」します。
例えば、「料理」だと次のように細分化できます。
・メニューを考える
・冷蔵庫の中身を確認する
・食材を買いに行く
・下ごしらえをする
・調理をする
・調理器具や食器を洗う
・乾いた調理器具や食器を棚に戻す
家事が細かく「見える化」されることで、「こんな家事があったのか」と気づくことができます。また、やるべきことが明確になることで、時間配分を考えて効率的に動けるようになります。手が空いた時間に「このタスクを先にやっておこう」と動けるようになるでしょう。
2.分担する時のコツ
どの家事を誰がどのくらいの割合で担当するか、というのは夫婦の事情や考え方によってさまざまです。お互いの収入などで簡単に決めてしまうと、後々ストレスや不満のもとになります。分担を決める時の3つのポイントをご紹介します。
■得意・不得意
家事は、得意な人が担当するほうが負担は少ないものです。夫婦のどちらも苦手だと思うものは、隔週で分担したり、高性能の家電機器でまかなったり、また家事代行サービスに任せるのも方法のひとつです。
■家事ができる時間帯
朝のゴミ出しなど、分かりやすく時間が決まっているものは、例えば「朝早く出勤するほうが担当する」といったように分担します。その代わりに、急を要さないお風呂やトイレ掃除などは、休みが不定期だったり時間の調整が難しい人が、空いている時にまとめてするとよいでしょう。
■家事に対するこだわり
夫婦間の家事分担で、ストレスのもとになりがちなのが、「これだけはイヤだ」と思っていることを相手がやってしまうことです。食器洗いを例に挙げるならば、「子どもの衛生を考えて、食器だけはとにかくきれいに洗いたい」など、こだわりの強いほうが担当するようにします。もし、時間帯の問題などで相手に任せるしかない場合は、事前に、「ここはこうして欲しい」と細かく相手に伝えるようにしましょう。
こうしたポイントをふまえて、感情的にならず、我慢をさせることなく、お互いが納得する形で分担を決めていきましょう。話し合う際は、できるだけ紙に書き留めながら話し合いをするのがおすすめです。話を整理できますし、あとで「言った、言わない」といった争いも避けることができます。
3.家事を時短するコツ

お互い仕事で疲れている中、家事の負担はできるだけ軽くして、夫婦の自由な時間にあてたいものです。そこで、家事を時短する方法をいくつかご紹介します。
■料理を作り置きしておく
料理は、メニューを考えたり、調理したり、食器を洗ったりと、さまざまなタスクの集合体です。こうした作業を減らすために、料理をまとめて作り置きしておきます。休日に1週間のメニューを考え、まとめて下ごしらえをしたり、夕飯のおかずなどを多めに作って翌日の弁当に使ったりします。ハンバーグや唐揚げなどを多めに作って冷凍しておけば、疲れて料理をしたくない時に、レンジで温めて簡単におかずを作ることができます。
■食材宅配サービスを利用する
食材の買い出しは、時間が取りにくい人には負担となり、まとめて買うと重い荷物になります。そこで、欲しい時にすぐ注文でき、時間帯を指定して届けてくれる食材宅配サービスがおすすめです。
最近では、レシピと食材がセットになっていて、下ごしらえ済みの食材をレシピ通りに作るだけで良いサービスもあり、メニューを考える手間を省いたり、料理が苦手な人でも美味しく作ることもできます。
■掃除しやすい環境を整える
掃除の手間を減らすコツは、普段から床に物を置かないようにすることです。
また、キッチンやお風呂などの水回りは汚れやすく、時間がたつと染み付いて掃除が大変になります。休日まで放置せず、汚れた時にこまめに拭き取るのがよいでしょう。洗顔のついでに洗面台を拭いたり、入浴のついでに浴槽を洗ったりなど、普段から軽く掃除するようにしましょう。
また、使いやすい掃除アイテムを夫婦で一緒に買いに行くと、道具に凝るタイプの男性は掃除のテンションがアップすることもあります。
■代用家電・代行サービスを利用する
家事の手間とお金を天秤にかけて、いっそのこと高性能の家電機器を購入するのもよいでしょう。食器洗い乾燥機や乾燥機付き洗濯機など、料理や洗濯にかかる手間を全自動で引き受けてくれるものや、自動ロボット掃除機を検討するのもおすすめです。
また、家事代行サービスを利用するのも方法のひとつです。利用料はかかりますが、週に数時間だけというように、利用したい時に、短時間だけ気軽に依頼できるサービスも増えています。代行サービスに家事を任せ、夫婦の「たまの贅沢」としてゆったりとした時間を満喫すれば、仕事や家事のストレス軽減にもつながるでしょう。
共働きで最適な働き方は?

共働きで家庭と仕事を両立させるため、時間的にも体力的にも余裕を取りやすい派遣の仕事を選択する人が増えています。派遣スタッフを対象にした当社のアンケートによると、80%以上が共働きです。全国の共働き世帯が約67%であることと比べると、派遣という働き方が共働きしやすい勤務形態であるということが言えます。
夫婦共働きで派遣を選んだ理由として、「残業が少ない」「休みが取りやすくスケジュールが調整しやすい」「時間や責任の面で負担が少なくワークライフバランスが整う」などが挙がっています。
アンケート調査で寄せられた回答のいくつかを紹介します。
<派遣を選んだ理由>
・子供がいるため、休みをとりやすい勤務先を選んだら派遣という選択になった。(女性/30代)
・主婦業との両立のため、フルタイムは厳しいので。スケジュールが調整でき、時給・その他待遇もアルバイトより高めなので。(女性/40代)
・前職があまりに忙しく体調を崩したため。派遣の方が時間や責任の面で楽に働けてワークライフバランスが整うと思ったので。(女性/20代)
・祖父母の協力が期待できないため、子育てを優先して仕事ができる派遣を選びました。(女性/40代)
・子育て中の身なのですが、土日祝日休みで子供の急な体調不良による休みにも対応してくれるという条件が魅力的であった為です。(女性/20代)
夫婦共働きで派遣勤務を選ぶメリット

夫婦共働きで、派遣を選ぶメリットを詳しく見ていきましょう。
正社員との大きな違いのひとつは、「時間的なゆとりが持てる」ことです。正社員では、抱えている仕事の進捗によっては、残業や休日出勤などが発生することもあります。しかし、派遣では仕事探しの際に、「残業なし」の仕事を選べば基本的に残業はなく、定時で仕事が終了します。あらかじめ派遣先との間で労働時間についてしっかり取り決められているため、時間的制約がある方にはおすすめの働き方です。
また、正社員と違い、転勤や異動もないため、自分に合った場所や働き方を維持できます。自宅から近い職場を選べば、短い通勤時間で働き続けることができます。自分の時間をコントロールできれば、ストレスも少なくなり、余裕を持って家庭に時間や手間を割くことができます。
働き方を自由に選べることによって精神的なゆとりが生まれ、結果的に、パートナーに対する気配りをもつ余裕もでき、家庭円満にもつながるでしょう。
共働きに最適な派遣会社の見つけ方

共働きで家事を両立させるのに、最適な派遣の仕事を見つけるにはどうすればよいでしょうか。自宅から近く、残業時間がない(または残業時間が少ない)職場を選ぶといった他に、細かい仕事内容や可能な勤務スケジュールなど、公開されていない求人内容も含めてチェックしたいものです。
スタッフサービスでは、仕事探しのプロが、派遣スタッフの希望条件をヒアリングし、適したお仕事を案内しています。また、パートナーが急な転勤で引っ越しすることになっても、全国に拠点があるため、幅広いエリアから条件に合った仕事をご案内できます。
自分に合う仕事かどうかは、実際に働いてみないと分からないこともあります。職場の雰囲気や一緒に働く人などの環境も、働き方に大きく関わります。そこで、最初は契約期間を短く設定し、自分に合う職場であれば更新するという方法もよいでしょう。
夫婦で「楽しい時間」を作るために。家事も仕事もコントロールしよう

家事の分担を決める時も、家事との両立を考えて仕事選びをする時も、大事なのはパートナーへの気遣いと思いやりです。互いに仕事や家事のストレスをなくし、夫婦で「楽しい時間」をたくさん作るという目的を忘れないようにしましょう。ここでご紹介した家事分担のコツを使えば、家事を通して夫婦の絆を深めることもできるかもしれません。
そして、派遣という働き方によって時間的・体力的、そして精神的にも余裕を確保できれば、パートナーや家庭のことをじっくり考えることもできます。家事や仕事に追われるのではなく、家事や仕事をコントロールしていきましょう。